三和音のコードは普通、3つの音がないと成り立ちません。ルート、3rd、5thの3つです。特に3rdは、メジャーかマイナーかを決定する音なので、これをはずすわけにはいきませんよね。
ところが、あえて3rdを抜かして弾くこともあるのです。
3rdを抜くと5度コードができる
Cなのか?Cmなのか?を決める音は、真ん中の音、3rdです。その3rdをあえて弾かずに、ルートと5thだけで鳴らしてみます。
この響きは、メジャーなのでしょうか?マイナーなのでしょうか?
それはどちらでもないし、どちらでもあり得る、ということなのです。
音程が5度なので、私は5度コードと呼んでいますが、ロックギターでは、パワーコードと呼ばれています。
ロックやジャズでは、メジャーorマイナーという感じをあえて出さずに、独特の雰囲気にしたい場合があるのですが、そんなときに使いやすいのがこの5度コードです。
コードの押さえ方がわからないから、3rdは抜いちゃおう、という咄嗟の逃げ道にも使えますね。
5度音程
このルートと5thによる音程を「完全5度」と言います。
これは完全協和音程のひとつで、響き的にとてもクリアに鳴る音程なんですよね。ピアノの調律師さんが作業しているとき、よくこの音程を使っています。
ドーソ~ ド♯~ソ♯~ レーラ~・・・・
私は結構この響きが好き。
5度の中で、「シーファ」だけが「減5度」(半音6個)です。その他は完全5度(半音7個)です。覚えやすいですよね。
5度をひっくり返すと4度になる
次の例のコードネームは、メジャーコードの表記になっていますが、あえて3rdを抜いて弾いてください。
3rdを抜くと、スッキリして、ちょっと硬い感じの音になります。
実際には、これより1オクターブ低くしたほうがロックの感じが出るかも。
この完全5度の音程は、転回すると「完全4度」になります。
キーボードの場合は、こちらの4度の押さえ方のほうが弾きやすいのでよく使われます。
ハードロックのオルガンの定番ですね。
今回は3rdを抜いたコードのお話でした。特に、ロックの雰囲気を出したいときのヒントにしてみてくださいね。
この記事は2017年頃のブログを再編集したものです